カスパーの見る夢 04


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 日も昇りきり、障子の向こうから陽光差し込む頃、佑快は静々と部屋の戸を開けた。
 室内では、夏用の薄掛けにくるまった少女がすぅすぅ寝息を立てている。
 昨日は懐かしい友人との再会を果たしたから、夜すがら遊んでいたのだろう。佑快が部屋に入っても目を覚ます気配はない。
 なかなか起きてこないから様子を見に来たのだが、起こすのがためらわれるほどの安らかな寝顔だ。
「何か、良い夢でも見ておられるようじゃな」
 その光景の微笑ましさに、佑快は髭の下で唇をほころばせる。
 客人も起きてくる様子はないので、少しくらい寝坊させても良いだろう。
 気温が上がって寝苦しくならないように、そっと眠る少女を通り過ぎて窓を開けた。
 晴れ渡る空の下、夏の清風がさやさやと吹いていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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